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▲日本人のBRM参加が掲載された台湾の新聞。「自由時報」のウエブ版でも紹介されました。

アジアでBRMを開催しているのは日本だけではありません。台湾では昨年200〜600を日本で走ってPBP参加資格を取得、フランスに行った人たちがいます。彼らがRandonneur Taiwanとして2008年は数多くのBRMを開催しています。

標高2600mの塔塔加で折り返す200kmブルベに18人の日本人が参加、全員完走しました。その様子が掲載された新聞がRandonneurs TaiwanからAJにも届きました。山下さんの台湾ブルベレポートです。


去る8月30日、台湾で行われたブルベに参加してきました。台湾は、九州ほどの大きさの島で、沖縄より南にありますが標高4,000m近い山を中心に、中央部を南北に山脈が走る意外に険しい島です。また日本よりも、標高の高いところを自転車で走ることができます。

■スタート ひたすら登るはずが、いきなり長い下りで不安に

▲プレゼントのアルカンシェルジャージ姿の日本人参加者

▲一見、日本とよく似た風景ですが、台湾です。

30日の午前5時、宿泊していたホテルを出発し、総勢18人の日本人が、バスでスタート地点に向かいます。移動のバスの車内でサンドイッチと豆乳で朝食。一見、日本と同じように見えるサンドイッチも、実は砂糖のような甘いものが挟まっていて、ちょっとしたカルチャーショックです。

スタート地点には、5時半に到着。急いでスタートの準備を整えます。今回のブルベの参加者は約80名で、台湾の参加者の自転車を見ると、マウンテンバイクでの参加が目立ちます。装備などは日本と同じ、いつもと違うのはスポンサーのMeridaのジャージを着ていることくらいです。

出走サイン(スタンプでした)をいただいて、6:00スタート。

事前に受け取っていたコースプロフィールでは、標高差2,200mをひたすら上り続けるものでしたが、いざスタートしてみると、いきなり長い下り。下りすぎるのでこの先のコースが不安になります。

Qシートは、日本のものと比べるとアバウトなもので、通過地点の地名と、距離しか書いてありません。これは、事前に調べてこいということなのでしょうが、日本で得られる情報からすると事前に十分情報を収集して走ることは、難しかったように思います。

ただし、コースは非常に単純で、曲がるポイントは3カ所だけ。この3カ所も前半に集中していたので、周りにいる台湾の参加者についていくことで、事なきを得ました。

■CP1〜CP2 コースがよくわからないまま登りの始まり

▲チェックは日本と同じ7イレブンです。(photo : D.Sugata)

▲走りやすい台湾の道。

CPは、日本とスタイル同じコンビニを利用します。台湾には7-11やファミリーマートがたくさんあり、取りそろえてある商品も日本のものと大きく違わないので、食べるものには困りません。チェックの方法は、コンビニのレシートと、ブルベカードにお店の領収書に使うスタンプ?を押してもらいます。また、CPのコンビニの店舗は指定がなく、近隣のコンビニならOKでした。

スタート地点からCP1に向かう途中、同じペースで走っていた台湾の走者が大きな声で何か叫んでいるので振り返ってみると、言葉は分かりませんが、道が違うと叫んでいるようです。付近にいた皆が引き返したので、一緒について行き、バイパスのような片側二車線の大きな道を走ることになりました。

確かに標識には次のチェックポイントの「水理」の文字があります。道がわからないので、ただついて行くだけだが、この道は、若干ショートカットになるようでした。ただ、オフィシャルのバイクが後から着いてきたので、その時は、これが正式ルートでないと思うことが難しかったです。

CP2の「信義」は、Qシート上では50kmの地点ですが、自分のメーターでは、42km。標高もコースプロフィールよりもだいぶ低いです。この分では、往復200kmを超えないのではないかと心配しながらも、CP2をスタート。しかし、心配とは裏腹に道は上昇を続けます。台湾の道は、日本と同じくらい走りやすかったです。車の少ない地域では快適でした。

65km付近に往路の最後のお店があり、それ以降はお店がない事を事前に聞いていましたが、実際通過してみると、どこが最後のお店かよくわからないまま通過。

■補給ポイント、タイミングよくバナナにあるつく

▲ずいぶんと登ってきました。もうすぐ頂上です。(photo : D.Sugata)

70kmの手前付近に主催者が用意してくれた補給ポイントがあるはずで、そろそろ付く頃だと思いながら走っていると、後ろから車が一台、かけ声を掛けながら追い越して、すぐ先の駐車場に止まった。すると、中から見覚えのある人がバナナを持って降りてきた。ここが、補給ポイントらしい。

たった今、補給ポイントが出来たので、我々よりも先に走っている人は、補給できずに先に行ったしまったことになる。ここで5分くらい休憩。バナナと水をいただいた。

上り坂もだんだんきつく感じる様になってきた。4人がそれぞれのペースでの登り始める。天気は悪くないが、霧が立ちこめて下界の景色は残念ながらよく見えない。残り数キロのところで、先頭の人とすれ違った。マウンテンバイクだった。こんな地形なら、マウンテンバイクでもいいのかもしれない。

標高の高さはあまり感じなかったが、ペースがさらに落ちたところで、マウンテンバイクに追い越された。ヘルメットに番号のシールが張っていなかったので一般の人のようだが、すいすいとあがっていく。台湾のマウンテンバイク乗りは、侮れない。

■折り返し地点

▲58km登った折り返し地点の塔塔加。(photo : D.Sugata)

心配していた折り返し地点までの距離は、ちょうど100kmくらい。CP2からずっと登りでしたので、58kmの上り坂でした。。

折り返し地点には、すでに二人の日本人が到着していました。Sさんは二時間も前に到着してたそうです。折り返し地点は、標高は高いものの、日差しがあって風がないので快適です。

チェックを終えて、記念写真を撮ってもらい、水とカップラーメンをごちそうになり、食べ終わる頃には折り返しの時間。あまり時間は気にしていませんでしたが、これだけ登ると、時間はそれなりにかかっていました。

■折り返しからゴール、下界に降りるに連れて暑さが増す

▲台湾ブルベはマウンテンもたくさんいます。(photo : D.Sugata)

残りの100kmは来た道を戻るので、折り返しのはじめの58kmは下りオンリー。やっぱり下りは気持がいい。

しかし58kmも下ってくるとかなり蒸し暑い。たまらずCP4では冷えたコーラを買って飲む。これが、たまらない! 

ここから先は、おおむね下りですが、アップダウンがある道を進みます。CP5は、Qシートにはチェックポイントと書かれていませんでした。Iさんが電話で確認してくれたところ、やはりチェックポイントとのこと。

CP5とゴールの間に観光地があり、朝通過時には想像できないほどたくさんの観光客が集まってきていました。坂のある地形ですが、レンタル自転車が多数走っています。その自転車も様々、無理矢理作ったでしょうと言わんばかりの、4人乗りの自転車も見かけました。

▲ルートの入ったTシャツまでありました。

ゴールの10km位手前から、朝下ってきた長い坂道を上ります。これを越えないとゴールできません。最後の上り坂の途中で、最後の難関 12%の坂。11時間半ほどかかってようやくゴール。他の日本人の参加者も続いてゴール。全員完走。

聞いたところによると、このコースの積算の高度が3,000mを超えていたとか。2007年の静岡200も辛かったけど、今回のブルベも大変でした。ただ、天気が良かったのであまり辛くは感じませんでした。DNSは15、6人いたそうですが、この難易度でこの完走率は高いと思います。台湾の底力を見た気がします。

Report & Photo YAMASHITA Masaki 2008.10.1


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