Fleche Japon 規定について補足説明

Audax Japan(以下 AJ)のもとで実施するフレッシュは、Fleche Japon 規定に則って主催され、各参加者は、本規定に則って参加申し込みを行い、装備を用意し、実走して認定を受けることになります。 しかし、フレッシュは非常に特殊なブルベで通常の BRM と異なるルールが適用されるためルールに関する質問も多く、ルールの誤解、ルールの理解不足から認定を受けられないケースが増えてきています。 そこで、日本におけるフレッシュの規定で多くの質問を受ける点、間違いやすい点についての補足説明を FAQ(よくあるご質問)形式で用意しました。 本項の回答は Fleche Japon 規定に準じたもので AudaxJapan として公式な回答です。 補足説明はPDFファイルにまとめました。下記リンクでダウンロード,ご精読下さい。 Fleche Japon 規定の補足説明(PDF)

Fleche Japon 規定

日本で行うフレッシュは1947年にAudax Club Parisien が創設したFleche Velocio の規定に基づいて実施します。
Fleche Velocio 規定はフランス国内向け部分があるほか、詳細については含まれていません。そのため、各国では独自規定を設けるところもありますが、日本での2008年フレッシュはFleche Velocio 規定のみで実施します。保険、装備、サポートなどは BRM規則 に準じます。主催クラブによって、運営上必要な独自規定を設ける場合もあります。(2008.2.8更新)

 参考:
  Fleche Velocio規定の 原文 和訳 (2004.10)、
  フレッシュに関する ACPへの質問と回答

フランスのFleche Velocio はイースターにプロヴァンス地方の最終目的地に向かって行われ、「BRMとは異なり、24時間でできるだけ長い距離を皆で一緒に走るチーム・ライドであり、最低でも自転車3台(タンデム3台もOK)が最後まで走りぬくことが求められます。」(ACP、2008.1.2)

1. 認定

Audax Japan(以下AJ)のもとで実施するフレッシュはAudax Club Parisien(以下ACP) が規定する Fleche Velocioに基づいた自転車のランドネであり競争ではない、参加者は個人的にサイクリングをしているとみなされる。結果はACPが認定する。フレッシュの認定は ランドヌール5000 受賞資格のひとつとなる。

2. 開催日と出発時間帯

フランスではイースターに開催され、出発時刻はイースターの金曜日午前6時から翌土曜日の午前10時の間であればいつでも構わないとされているが、日本ではイースターに関わらずサイクリング・シーズンの初め、天候が悪くも良くもない時期を選ぶことができ、出発時刻は主催者が時間帯を指定することができる。開催日は休日や祝日が望ましく、開催日決定理由が必要となる。

3. チーム編成とクラブ

本イベントはチーム・イベントで、参加車両の数は最多で5台、最少で3台とし、参加者は出発当日に満20歳以上であること。各クラブは複数のチームを登録できる。チーム編成が変更になる場合は、スタート前に主催者にその旨を連絡すること。

4. 保険

走者は第三者賠償付保険に加入していなければならない。保険に関しては BRM規則第4条 に準ずる。

5. 参加車両

人力のみで動かされる車両であれば種類を問わないが、日本の公道で使用可能な車両であること(スケートボードなど遊具に分類されるものは公道では使用不可能)。

6. 24時間イベント

本イベントは24時間イベントで、距離は360kmまたはそれ以上である必要がある。24時間時点の距離が認定される。

7. コース

コースは各チームの自由選択にまかされる。Flecheの基本的な精神は全てのチームが同じ目的地に向かって走り、最後にどこか適当な場所(ナイス・プレイス)で落ち合うことである。コースは一方向へのルート(ストレート・ルート)が望ましい。往復ルートも認められるが、往路と復路で同じ道を使ってはならない。

8. スタート

複数のチームが同じ出発地点からスタートする場合、スタート時刻は1時間ずつずらして設定すること。

9. コントロール

主催者がコース中にコントロール・ポイントを設定するので、地図を参照し、地図上のコントロール・ポイント間の最短距離を実走行距離として採用すること。主催メンバーがいないコントロール(無人コントロール)を設定することが出来る。

10. 最後2時間で25km以上走行

22時間目から24時間目の間に、25km以上を走行しなければならない。スタートから22時間目に自分のいる場所をブルベカードに記入して、証明しなければならない。

11. 認定条件

認定を受けるためには以下の条件を満たさなければいけない。
  1. 最低でも3台の車両がゴールすること。
  2. 全車両が同じ距離を走行すること。
  3. 22時間目から24時間目の間に、25km以上を走行すること。
  4. 360km以上であること。
  • チームリーダーまたはその代理人が、主催者指定の時間と集合場所に出向き、その場で記入済みのブルベカードを手渡すこと。
  • 認定の際に採用される距離はイベント当日に実際に走行した距離だが、あらかじめ登録した距離の±20%以内に含まれていなければいけない。

12. 禁止事項

  • サポートカーの伴走は認められないが、休憩地点に限りサポートカーの支援を受けることができる。
  • サポートカーの有無に関わらず、休憩は2時間を越えてはいけない。
  • 各チームは単独行動をすること。2つ以上のチームが一緒に走行してはいけない。

13. チームの申し込み手続き

参加するチームは主催者宛に、コースと時間を詳細に記した計画書を送付すること。コントロール間の距離(km)、全走行距離(km)、予想通過時刻を示したキューシートは丁寧に詳しく記載し、判読可能でなければいけない。走行中はあらかじめ登録したコースに従うこと。出発日時と場所は厳密に記載すること。

14. ブルベカード

各参加者はブルベカードが届き次第、出発前に必要項目に記入し、署名すること。走行中、参加者は各自ブルベカードを常時携帯し、ブルベカードに記載されている全ての指示に従うこと。ブルベカードが未記入であれば、チーム全員が認定を受けられなくなる。

15. 装備

正常に作動する強力なライトを固定すること。夜間は、反射タスキ、または反射ベストの着用が義務付けられている。明るい衣服、反射 バンド の着用を強く推奨する。

ベル装着とヘルメット着用を義務付ける。前照灯2つ、ヘルメットに尾灯(点滅可)を装着すること。 装備に関しては BRM規則第6条 に準ずる。

16. 違反

違反が発覚した場合は違反チーム全員が認定を受けられなくなる。

17. 交通規則の遵守

フレッシュ開催中、それぞれの走者は私的な走行を行っていると見なされる。走者はすべての交通規則を遵守して走行し、すべての交通信号を守らねばならない。 ACP、AJ、主催クラブは、フレッシュのコースにおけるいかなる事故についてもその責任を負うことは不可能であり、また、責任を負わない。

18. 結果の公表

フレッシュに参加する際、主催者が発表する結果で個人名と総走行距離を公表されることに走者は同意しなければならない。走者の個人名の商業的な利用もしくは商業的な利用を目的とした第三者への通知は絶対に行われてはならない。

19. 苦情申し立て

フレッシュに参加申請し出走するすべての走者は以下の行動に同意しなければならない:フレッシュやその主催団体に関する苦情や質問は、フレッシュ終了後48時間以内に、主催者に対して書面で提出しなければならない。主催者はその苦情を検討し見解を添え、ACP representativeであるAJ会長に判断を仰ぐために転送する。

Fleche [フレッシュ]とは

フレッシュは、フランスの偉大なサイクリストでありシクロツーリズムの父と呼ばれる、ポール・ド・ヴィヴィ [ベロシオ]が復活祭に自転車で里帰りしていたことから始まっています。多くの日本人にとっては復活祭を祝う習慣はありませんが、共に走った仲間と健闘を称えあい、各地から集まった仲間との再会を喜び合うフレッシュのスピリットは理解できるでしょう。
参考:
History of the Fleche Velocio 原文(英語)/ACP
ベロシオについては カナダのBC Randonneurs に詳しく記事があります(英語)


フレッシュ・ベロシオの歴史

このイベントは当時ACPの代表であったピエール・モリニエの発案したもので、復活祭にポール・ド・ヴィヴィ [ベロシオ] が生まれ故郷のペルネ・レ・フォンテーヌまで自転車で里帰りしていたことに由来します。彼は一人で走ることもあったし、友人たちと走ることもあったといいます。彼は復活祭の時期に見られる、生まれ故郷の美しい自然を愛していました。シクロツーリズムの父であるベロシオの功績を称えるべく仏シクロツーリスム連盟(FFCT)は復活祭に合わせて走行会を行うようになりました。

1947年ノートルダム寺院から フレッシュ・ベロシオがスタート

ピエール・モリニエはそれをフレッシュ・ベロシオと称し復活祭に絡めた集会として行うことを提案しました。毎年違う街が目的地として選ばれ、地元のクラブが集会を取りまとめることとしたのです。1947年に始められたこの走行会はアローズ(矢印)と呼ばれ、スタート地点はパリのノートルダム寺院でした。 5人一組のサイクリスト達は24時間でできるだけ長い距離を走り、可能な限り目的地の近くまで達することが求められました。そして日曜日に目的地まで走った仲間同士で互いの健闘を称えあうのです。フランス全土のサイクリスト達(それがフレッシュの参加者であってもなくても)が今日でもこのような形で走行会を行っていることは大変に喜ばしいことです。それ以来、変更されたルールもありますが基本は変わりません。フレッシュ・ベロシオは復活祭に合わせて行われ、集まった参加者がブルベカードを差し出すのは日曜日の集会と決まっています。

ナショナル・フレッシュ [アローズ]誕生

ランドヌール5000 が行われるようになると、国外のサイクリストからも是非フレッシュ・ベロシオを取得したいとの声が上がるようになりました。ランドヌール5000の取得にフレッシュ・ベロシオが必須なのですが、フランスまでやって来るのは大事なのです。[実際にフランスまで来る人たちもいました]。 それを考慮してACPはフレッシュ・ベロシオのルールを守ることを条件にアローズが他の国でも行えることとしました。復活祭の時期に雪が降る国では例外としてホワイトサンデー(聖霊降臨祭)までに走れば良いこととします。他に復活祭の前後一週間のどちらでも良いこととします。イギリス、ドイツ、スペイン、ブルガリアなどでは地理的に中心に集まる形でアローズ(矢印)の数を増やすことが可能です。北欧の国々では二年毎に走行会を実施し、目的地のクラブが交代で運営を行っています。これらはナショナル・アローズであり、この様に運営されるべきものなのです。アローズは個別に行われるものではないのです。 フランス以外で初めてアローズを実施したオーストラリアを含むカナダやアメリカなどでは国土が広大なために地域別にアローズを行っています。各チームが集まれる中心的な場所を目的地とし、フレッシュ・ベロシオの規定を満たすことが条件です。地域によっては日曜日に集まったサイクリスト同士でピクニックや昼食会を行って祝ったりします。

注釈、参考: Paul de Vivie http://en.wikipedia.org/wiki/Paul_de_Vivie FFCT = Federation francaise de cyclotourisme ホワイトサンデー = Whitsun、Whit Sunday、聖霊降臨祭、復活祭から50日目の日曜日

日本語訳:2008.2.19 Tak Kawano/Audax Japan

ACP/Fleche Velocio 規定(原文翻訳)

1947 年に Audax Club Parisien によって創設された全国的なイベント
 
Audax Club Parisien が主催、管理する Fleche Velocio は、プロヴァンス地方の最終目的地に向かって行われる、自転車のランドネーであり、必ず以下の条件を満たすものとする。 本イベントはチーム・イベントで、参加マシンの数は最多で5台、最少で 3 台とし、参加者は出発当日に満 18 歳以上であること。各クラブは複数のチームを登録できる。 本イベントは24時間イベントで、コースは各チームの自由選択にまかされるが、距離は 360 キロまたはそれ以上である必要がある。出発時刻は金曜日(訳者注:イースターの金曜日、 Good Friday を指す)の午前 6 時から翌土曜日の午前 10 時の間であれば、いつでもかまわない。組織責任者がコース中にコントロール ・ポイントを設定するので、地図( Carte Michelin )を参照し、地図上のコントロール・ポイント間の最短距離を実走行距離として採用すること。 人力のみで動かされるマシンであれば、種類を問わない。 各マシンには、最新の規定を満たし、正常に作動する強力なライトを固定すること。 夜間は、反射タスキ、または反射ベストの着用が義務付けられている。 明るい衣服、ヘルメット、反射 バンド の着用を強く推奨する。

チームの申込手続き

早くは 1 月から、遅くともイースターの6週間前までに、組織責任者宛てに、コースと時間を詳細に記した計画書を 2 部送付すること。また、その際には、チームリーダー宛ての返信用封筒(サイズ 22 x 33, 国内便で 50g 相当の切手貼付)も同封のこと。 ボランティアの方々の負担軽減のため、コントロール間の距離(キロ)、全行程の距離(キロ)、予想通過時刻を示したコース( コース表? )は、丁寧に詳しく記載し、判読可能でなければいけない。走行中は、予め登録したコースに厳密に従うこと。少しでも逸脱があれば、 ACP が加入する補助的保険は適用されなくなる。出発日時と場所は厳密に記載すること。 組織責任者は計画書を了承次第、申込用紙 2 部と identification 用紙 (個人登録用紙?)を送付するので、それらに記入し、 ACP 宛ての小切手(参加費)、各参加者のライセンスの写し(有効なものに限る)、チームリーダー宛ての返信用封筒(サイズ 22 x 33 、国内便で 250g 相当の切手貼付)を添えて返送すること。この封筒は、ブルベカード、 plaques de cadre (自転車の前部につける ID 用のプラカード?)、夜間( 20 00 _ 08 00 )コントロール用のハガキ(イベント当日に切手を貼って投函すること)を送付するために使われる。 各参加者はブルベカードが届き次第、出発前に必要項目に記入し、署名すること。 走行中、参加者は各自ブルベカードを常時携帯し、ブルベカードに記載されている全ての指示に従うこと。ブルベカードが未記入であれば、チーム全員が認定を受けられなくなる。 認定により以下のものが付与される。
  • 認定証とメダル
  • カップやチャレンジへのチームとしての参加権

認定条件

Fleche Velocio が認定され、各種チャレンジやカップに名乗りを上げるためには、以下の条件を満たさなければいけない。
  • 最低でも 3 台のマシンがゴールすること
  • 全マシンが同じ距離を走行すること
  • 22時間目から24時間目の間に、25キロ以上を走行すること
  • チームリーダーまたはその代理人が、イースターサンデーの午前 8 時から 10 時半の間に集合地点に出向き、その場で記入済みのブルベカードを ACP 代表者に手渡すこと。 認定の際に採用される距離はイベント当日に実際に走行した距離だが、あらかじめ登録した距離の± 20 %以内に含まれていなければいけない

その他

本ランドネーは競争ではない。各参加者は個人的にサイクリングをしているとみなされる。 サポートカーの伴走は認められないが、休憩地点に限りサポートカーの支援を受けることができる。 サポートカーの有無に関わらず、休憩は 2 時間を越えてはいけない。 各チームは単独行動をすること。2つ以上のチームが一緒に走行してはいけない。 複数のチームが同じ出発地点からスタートする場合、スタート時刻は 1 時間ずつずらして設定すること。 コースにはコントロールを実施するコントローラがおり、違反が発覚した場合は違反チーム全員が認定を受けられなくなる。 チーム編成が変更になる場合は、スタート前に組織責任者にその旨を連絡すること。

組織責任者

Michele HUGON 30, rue de la JANVRERIE ― 91470 LES MOLIERES ― Tel. 01 60 12 47 68 E-mail : michele.hugon@audax-club-parisien.com 参加費: FFCT 会員は、1チームあたり 50 ユーロ。 それ以外の組織の会員は、1チームあたり 52 ユーロ。 ACP は、本規定をいつでも変更することができる。 2005 6